今回は群発頭痛の在宅酸素療法についてお話しします。

2018年4月から群発頭痛の在宅酸素療法が保険適用承認されました。
群発頭痛の方にはたいへんな朗報と言えることです。
群発頭痛の痛みの軽減には自己注射や点鼻など即効性のある薬剤の他に、20分前後の高濃度酸素吸入が効果があることが知られていました。
しかし激痛発作がはじまってから病院に駆け込んで酸素吸入を受けるのは、タイミングや移動手段などの面でたいへん困難でした。それでも理想的なタイミングで酸素吸入をすると効果抜群なのは体験的に知っていましたので、私も可能であれば自宅に酸素吸入の設備を置きたいと思っていました。しかし今まではレンタルでも高額で、しかも保険適用外だったので手が出せませんでした。

ところが日本神経学会・日本頭痛学会の働きかけにより、ついに2018年4月から自宅での酸素療法が保険適用になりました。私のような患者としては言葉で言い表せないくらいにうれしい事です。私も次の発作期がきたら導入しようと考えていたので、先日その兆候を感じた時にすぐに病院でレンタルの手続きを取りました。

群発頭痛の在宅酸素療法に使うハイサンソR

この画像が私のもとに届いた酸素濃縮装置の実物です。手続きの翌日にはもう届けていただけました。
在宅酸素療法という言葉から想像していた機材と全然違うので少し驚きました。酸素ボンベのようなものは使わないそうです。毎分7リットルの酸素を20分吸うという指示が私の受けた医師の処方なので、ボンベではすぐ交換が必要なのではないかと思っていました。ボンベが無いので交換なども一切なしです。メンテナンスは簡単な掃除と半年に一回の点検だけ。
届けてくれた業者の方に説明を受けて、その日から使えます。

実際に発作時に使用してみると、病院で受ける酸素吸入と同じ感覚です。とてもよく効きます。頭痛発作の前兆を感じたらすぐ吸い始めることができるので、自宅にこれがあると激痛に耐える時間が短くて済みます。
ただ結構大きくて重いもので電源が必須なので、外出時に持ち歩くことはできません。持ち運び用のポータブルな酸素吸入装置をセットで申し込むこともできましたが、現実的ではないと考えて外出時の発作には今まで通り自己注射や点鼻薬を使うことにしました。

毎月のレンタル料金ですが、私の場合は三割負担とのことで月2万円ほどです。三割でもけっこうしますね。ただ、医療費控除の対象に含まれるのでそこはひと安心です。ともかく家に酸素吸入できる装置があるという安心感がとてつもなく大きいです。

届けてくれた業者の方に聞いてみると、やはり利用者のほとんどが呼吸器系などの疾患で、群発頭痛の利用者は私で二人目という事でした。まだ周知されていないのか、患者の数そのものが少ないのかはわかりませんが、もし在宅酸素療法が保険適用になったことをご存じない群発頭痛の方がご家族やご友人などにいましたら、ぜひ教えてあげてください。