前回の続きです。

物書きから一転、小さな広告代理店のWEB担当になった私の仕事は、広告代理店というイメージで想像していたものと若干違う内容でした。いろいろなお店のホームページを管理運営するのですが、その大きな割合を占めていたのが風俗店でした。性的なサービスを提供するお店の宣伝をすること、これには本当に様々な問題がありました。
業界特有の理不尽かつ暴言によるクレーム。集金したお金を持ったまま帰ってこない新人。離職率の高い職場での業務のやりくり。相談窓口で受けた働く女性からの悲痛な相談など…。

その仕事に就いて数年後、私は定期的なひどい頭痛に襲われ始めます。ぜんぜん原因がわかりません。10を超える病院で診察を受け、紹介を受け、大学病院でCTで精密検査してもわかりません。
この頭痛が痛いこと痛いこと地獄のようで、右目の奥で真っ赤に焼けた鉄串を突き刺しまくられているような床を転げまわるような痛みです。鎮痛剤がまったく効きません。しかし痛みが2時間も続いたかと思うと、ケロッと治って何ともなくなります。そしてまた18時間くらいすると猛烈に痛み始めるのです。

病名をはっきり言ってくれる医者を3年探して、やっと出会えた頭痛専門医の診断は
「群発頭痛」でした。
痛すぎて自ら死を選ぶ人もいるという病気です。
しかし知名度が低いために周囲の人に理解されにくく、そのためうつ病などを発症しやすいという病気です。完治も治療も難しく、対処療法は激痛発作時の酸素吸入と、即効性のある薬の点鼻または自己注射だけ。これは絶望的にきついです。
今でも治っていませんが、後述する専門医との出会いもあり、激痛との付き合い方はわかってきました。

次回に続きます。